ヘルスケアnote
Health care note
減塩で⾼⾎圧予防
夏は、暑い屋外から涼しい室内に移動したときに⽣じる気温差によって⾎圧が上昇し、⼼筋梗塞や脳卒中などを引き起こすヒートショックが発⽣しやすいといわれています。
こうした夏の⾼⾎圧の予防には、エアコンなどを調節して屋外と屋内の気温差をできるだけ⼩さくするのが有効ですが、普段から減塩を意識することも⼤切です。
⾎圧が上がる要因
⾎圧は、⼼臓が「⾎液を送り出す量」や体内を「循環する⾎液量」などで決まります。⾎圧が⾼くなる要因は⽣活習慣などの環境因⼦、遺伝的な因⼦などが関係しており、原因が明確にわからない⼈が、⾼⾎圧症の⼈の約9割を占めています。個⼈の原因を⼀つに絞ることは難しいですが、⾎圧を上げる⽣活習慣には以下のようなものがあります。特に塩分の過剰摂取は、多くの⽇本⼈に関係があります。
⾎圧を上げる⽣活習慣
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塩分の過剰摂取
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肥満
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喫煙
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過度の飲酒
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精神的ストレス
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⾃律神経の調節異常
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運動不⾜
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野菜や果物(カリウムなどのミネラル)の不⾜
⽇本⼈は塩分をとりすぎている?
世界的にも⻑寿で知られる⽇本ですが、塩分に関しては必要以上に摂取しています。⾷塩摂取量について、世界保健機関(WHO)は5.0g/⽇未満、⽇本⾼⾎圧学会は6.0g/⽇未満を推奨していますが、平均摂取量は男性10.9g/⽇、⼥性9.3 g/⽇と過剰なのが現状です(令和元年国⺠健康・栄養調査報告)。
そこで、段階的に⾷塩摂取量を減らすための実現可能な数値として、「⽇本⼈の⾷事摂取基準2020年版」では、⾷塩摂取量の基準を、男性7.5g/⽇未満、⼥性6.5g/⽇未満と定めています。
まずはこの基準をめざして、1⾷あたり男性2.5g/⽇未満、⼥性2.2g/⽇未満を意識してみましょう。
塩分量が多い⾷品
⽇々の⾷塩摂取量を減らすため、「醤油はかけずにつける」「加⼯⾷品を買うときは必ず成分表⽰を確認する」「普段購⼊しているものを減塩タイプに替える」など各⾃で取り組んでみましょう。ただし、減塩タイプのものでも、インスタント味噌汁などの場合は、塩分が1⾷1.0g以上含まれるものもあるので、注意しましょう。
味のついたごはん類
コンビニのおにぎり、炊き込みごはん、お寿司、チャーハン、カレーライス、ドリアなど
ごはん全体に塩味がついているため、たくさん⾷べてしまいがちです。
麺類
ラーメン、そば、うどん、焼きそば、和え麺など
麺⾃体の塩分は少なめですが、汁の塩分が⾼めなので、汁は残しましょう。ラーメンのスープにごはんを⼊れたり、そばつゆにそば湯を⾜して飲むと塩分過多になります。
最初から味がついている焼きそばや、タレを絡めて⾷べる汁なしタイプの和え麺などは、1⾷あたりの塩分が4.0g近いものもあるので注意が必要です。
加⼯⾷品
漬物、ハム、ベーコン、ウインナー、サラミ、⿂卵、塩⾟、⿂⾁ねり製品、オイルサーディン、佃煮、チーズなど
さまざまな種類がありますが、塩に漬けて⻑期保存できるように加⼯した塩蔵⾷品でなくても、味付けとして塩が使われることが多いのが特徴です。
加⼯⾷品の例にあげた⾷品は、お料理レシピなどにも頻繁に出てきますが、調味料とは別に塩分を含んでいるという認識をもち、使⽤するときは全体の味付けを薄めに仕上げましょう。
普段から減塩を⼼がけ、⾼⾎圧を予防することが、夏を健康に過ごす第⼀歩です。